①証券マンについて知りたい

証券マンの仕事は主に営業です。営業をして手数料を稼ぐこと、お金を入れてもらうことが仕事となります。これらに対し、既存顧客の活性化と新規顧客の開拓を行っていきます。
その中でも仕事は大きく分けると二つあります。
①セカンダリー業務(マーケット)
基本的には市場で証券やデリバティブの取引を行ったり (トレーディング)、投資家の売買を仲介する (セールス) ことで収益を上げます。リサーチの発信する情報と良い商品の仕入れ力、プライシング能力、顧客である投資家に対するグリップが会社の強みになります。
②プライマリー業務
投資銀行部門と呼ばれる人たちが担当します。法人向けのアドバイスと案件の執行を担当する、いわゆるインサイダー情報を持つ部署のことです。大きくは、顧客のニーズをヒアリングし案件を取ってくる 「カバレッジバンカー」と、商品を組成し案件を執行する「プロダクトバンカー」に分かれます。
②世の経済の動きを間近で
①やりがい

・経済を常に間近で見つめられる
世界の経済は1日で大きく変わります。たとえば、政権が変わって新たな政策ができたり、海外でテロが起きて治安が悪化したりするような歴史的な出来事はもちろんのこと、企業が経営破たんしたり新商品が大ヒットしたり…と世の中でたくさんの出来事が起きるなかで、市場の価格は上がったり下がったりを繰り返します。証券マンはこうしたものを間近に感じることができるので、大きなスケールの中での仕事はやりがいを感じるでしょう。
・顧客の喜び
証券会社の営業マンは、自分が担当している顧客からの相談や要求に応えられるように、ニュースや新聞などから日々勉強を重ねて経済の知識を身につけています。そんな努力のなかで、「君のおかげだよ」「任せて良かった」という言葉をかけてもらえると、今までの苦労を忘れられます。
さらに、一度信頼されると、次はより大きな金額の取引を任されたり、投資家や資本家の仲間に紹介してもらえたりする機会も増えていくので、仕事の規模が大きくなっていくのにやりがいを感じる人も多いでしょう。
②厳しさ

・厳しいノルマ
徹底した実力主義や数字至上主義の社風が根付いているため、競争社会についていけない人は苦しいかもしれません。そのため離職率も高くなています。しかし、実力次第では給与もどんどん上がり、独立などの道も見えてきます。
・膨大な勉強量
お客さまの質問や要求に応えながら確実に利益を出していけるよう金融業界に関する膨大な知識を身につけなければいけません。仕事中はもちろん、勤務時間外でも日々ニュースや本などから知識に目を光らせ、努力し続けなければいけないので、気を休める時間がありません。
③忙しさの裏には高収入が
証券会社業界の平均年収は、おおよそ760万円となっています。日本人の平均年収が450万~500万だと考えると、かなり高い水準だと言えるでしょう。

ここでは大手証券会社の中でも知名度のある「野村證券」と「みずほ証券」について紹介します。
①野村証券
年齢 | 年収 | 月額給与 | ボーナス |
20~24歳 | 290.0万円~320.0万円 | 20.0万円 | 80.0万円 |
25~29歳 | 824.5万円~874.5万円 | 54.7万円 | 218.6万円 |
30~34歳 | 902.7万円~1,002.7万円 | 62.7万円 | 250.7万円 |
35~39歳 | 933.7万円~1,037.7万円 | 64.9万円 | 259.4万円 |
40~44歳 | 1,045.0万円~1,166.0万円 | 72.9万円 | 291.5万円 |
45~49歳 | 1,183.9万円~1,305.9万円 | 81.6万円 | 326.5万円 |
50~54歳 | 1,289.2万円~1,399.2万円 | 87.4万円 | 349.8万円 |
55~59歳 | 1,277.5万円~1,387.5万円 | 86.7万円 | 346.9万円 |
60~65歳 | 844.4万円~1,387.5万円 | 59.0万円 | 236.1万円 |
②みずほ証券
年齢 | 年収 | 月額給与 | ボーナス |
20~24歳 | 298.0万円~328.0万円 | 20.5万円 | 82.0万円 |
25~29歳 | 707.1万円~757.1万円 | 47.3万円 | 189.3万円 |
30~34歳 | 768.1万円~868.1万円 | 54.3万円 | 217.0万円 |
35~39歳 | 794.4万円~898.4万円 | 56.1万円 | 224.6万円 |
40~44歳 | 888.4万円~1,009.4万円 | 63.1万円 | 252.4万円 |
45~49歳 | 1,008.5万円~1,130.5万円 | 70.7万円 | 282.6万円 |
50~54歳 | 1,101.3万円~1,211.3万円 | 75.7万円 | 302.8万円 |
55~59歳 | 1,091.2万円~1,201.2万円 | 75.1万円 | 300.3万円 |
60~65歳 | 717.6万円~1,201.2万円 | 51.1万円 | 204.4万円 |
やはり大手企業では40歳を超えてくると1000万に達することができそうです。忙しい分報酬は高いですね。
④証券マンの1日
会社によってかなり違うそうですが、一般的な一日の様子を紹介します。
7:30
●出勤
朝早い出社。メールやニュースで情報を収集します。
8:00
●ミーティング
今日1日の営業戦略をメンバー全員で確認します。また、前日の海外市況も取り入れながら、営業店内で相互に情報収集・連絡事項の確認などを行い、商品戦略を練ります。
9:00
●「前場取引」
12:00
●「後場取引」
①電話
前場が始まって、寄付の状況をお客さまに連絡します。お客さまが少ない若手営業員は、新規開拓営業が中心となります。新規開拓営業の手法は「電話」と「訪問」と「手紙」です。電話での新規開拓はアポの申し込みが中心になります。
②訪問
事前にアポをいただいたり、たまにはフラッと立ち寄ってみたり、常にお客さまとの距離が開かないように、定期的にお会いします。保有されている商品の状況報告をし、新しい提案も交えて、お客さまへの資産運用のアドバイスを欠かしません。
17:00
●業務報告
上司やインストラクターに1日の業務報告を行います。手応えがあった先の状況報告や明日の営業活動予定についてが、主な報告内容です。「そういうケースはこうすればいい。」、「こういうアイデアもあるぞ。」と、いろいろ教えてもらえる一番大事な時間です。
18:00
●ミーティング
1日の営業活動の状況や成果について報告し、全員でミーティングを行います。
19:30
●帰宅
お客様への礼状を書いたり、ニュースなどを細やかにチェックしたりします。
企業によっては夜遅くまで残るところもあるそうです。何と言っても、勤務時間外にも注意を払わないといけないのが大変ですね。
⑤まとめ
証券マンは厳しいノルマを追わされる反面、大きな成功を納めた時には達成感も味わえるでしょう。くじけずやり抜ける人は向いているかもしれませんね。